飲食店がecサイトで成功するために必要な4つの秘訣と参入のポイント

飲食のecサイトを出店するにあたって「売れる方法や参入の仕方」が知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

飲食店がecサイトで成功するためには、ターゲットを明確にする、他社・他店舗との差別化を図る、商品の背景をストーリー化するなどがポイントになります。

本記事では、ecサイトの出店形式や出店の流れを始めとし、成功の秘訣や参入のポイントについても解説していきます。

飲食店におすすめのecサイト出店形式を解説

まずは、飲食店がecサイトに参入する際、おすすめの出店形式について解説しておきましょう。

「ecサイト」の出店形式は、オリジナルecサイト、モール型ecサイト、飲食専用サービスへの出展に分かれます。

各出店形式の特徴やメリット・デメリットなどを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

オリジナルecサイトを制作する

自分の店舗ならではのデザインや仕様にこだわりたいなら、オリジナルのecサイトの制作がおすすめです。

ecサイトを制作する費用や時間などのコストは発生しますが、販売手数料を自分立ちで決めることができ、運営の自由度が高いのがメリットと言えます。

具体的には「Shopify」「BASE」などのサイトが挙げられ、デザインテンプレートを使うことで構築することが可能です。

また、SNSの活用やSEO対策など、自社で実施したい集客施策が打てるのも利点です。

モール型ecサイトへ出店する

立ち上げと同時に効率よく集客し、運用を楽にしたいなら、Amazonや楽天といったモール型ecサイトへ出店するのもおすすめです。

オリジナルecサイトとは違い機能やデザインは制限されますが、出店の手続きや審査に通過すれば、大手のショッピングサイトで効率よく集客できるのが魅力です。

ただ、モール型ec際とは商品が売れるたびに販売手数料が発生し、商品検索で上位表示させるための有料オプションなども存在しますので、売上アップのためには費用をかける必要があります。

飲食専用のデリバリーサービスを利用する

ネットショップではなくデリバリーにはなりますが、広範囲の人に知ってもらうという意味で、「出前館」や「UberEats」といったデリバリーサービスへ登録するのもおすすめです。

登録料や手数料などは発生しますが、配達員の採用や煩雑なシステムの導入が不要なため、手軽に販路を拡大できます。

食品ではなく料理自体をもっと多くの人に提供するという狙いがある場合は、ネットショップと併用して、デリバリーサービスへの出店を検討すると良いでしょう。

飲食店がecサイトを開設する流れと必要なもの

続いて、許可の申請や設備投資など、飲食店がecサイトを開くまでの流れや必要なものについてご紹介していきます。

ここでご紹介する流れについては、すべての出店形式に共通する内容となっていますので、これからecサイトを始めようと思っているなら必見です。

実際にecサイトを始めてから「思っていた感じと違った…」とならないよう、事前に知識を身につけておきましょう。

ecサイトのコンセプトや目的・目標を明確に決める

まずは「どんなecサイトにするのか」「ecサイトで何を成し遂げたいか」など、ecサイトのコンセプトや目的・目標を明確に決めることが大切です。

コンセプトや目的・目標が曖昧な状態でecサイトを立ち上げてしまうと、商品やサービスがユーザーのニーズに刺さりづらくなるだけでなく、集客の施策も定まりづらくなります。

ターゲットの性別・性格・年齢層・生活習慣・好みなど、たった一人を描き、その人を満足させるためには何が必要か？という観点で、サービスを改善していくことが重要です。

営業に必要な許可や申請を適切に行なう

飲食店がecサイトを開設するには、保健所で「食品衛生責任者」と「食品衛生法に基づく営業許可」の申請を行う必要があります。

すでに飲食店を経営し「食品衛生責任者」を取得済みの場合は改めて申請の必要はありません。

お店で出している料理を冷凍で販売する場合は「冷凍食品製造業」、缶詰や瓶詰めで販売する場合は「密封包装食品製造業」といったように、商品の種類や形態によって許可の種類が異なります。

場合によっては店舗環境を、食品表示法に則り整備が必要な場合もあります。

ecサイト制作・運営準備

Shopify等のプラットフォームで、オリジナルのecサイトを構築し、真空パックの機械や冷凍庫にオリジナルの箱や袋など、ecサイトの運営に必要な設備や備品を揃えていきます。

中でも、製造や保管に関する設備については、保健所の指示通りに作らないといけない箇所が多く、場合によっては工事が必要になります。

また、オリジナルのecサイトを制作する場合はwebサイト制作のノウハウが必要になるため、外注化する場合は制作会社を探し、スケジュールに余裕を持って進めましょう。

オンライン・オフラインを駆使して宣伝する

ecサイトの運用を始める際、集客施策も同時に走らせておくと効率が良いです。集客は、ネットショップだけではなくSNSやチラシなど、オンライン・オフラインを併用することが大切です。

なぜなら、ecサイトは開設するだけではアクセスは集まらず、InstagramやX(旧Twitter)などに商品の画像を掲載したり、お店の中にecサイトに繋がるQRコードを設定したり、お客さんに認知してもらって徐々にアクセスが増えていくからです。

ecサイトは実店舗のようにフラッと立ち寄るケースが少ないため、積極的に情報発信を行ない、口コミ評判などを活用してお客さんとコミュニケーションを取るのも忘れないようにしましょう。

飲食店がecサイトで成功するために必要な4つの秘訣

ecサイトの出店形式や出店の流れを理解したところで、ecサイトで失敗しないための「成功の秘訣」をご紹介しておきましょう。

開業1年目で3割が閉業するとされているecサイト業界ですが、売れ続けているecサイトを作る戦略が重要です。

他店との差別化や見やすいサイト設計など、4つのポイントに分けてご紹介していきますので、ecサイトの運営にお役立てください。

シーンやニーズに合った商品を考える

飲食店がecサイトで成功するためには、さまざまなシーンやニーズに合った商品を考えることが大切です。

例えば「記念日に食べる特別な一品」と「普段の夕飯に使える一品」では購入するユーザー層が大きく異なり、価格設定や販売数のイメージも変わってくるでしょう。

そのため、どんな商品を販売するかを決める際は、「どういう時に通販の料理を買うのか」といった視点を持つことで、ユーザーのニーズに合った商品の開発に繋がります。

他社や他店舗との差別化を図る

他社や他店舗で販売している商品が流行っているからといって、それに似た商品を作って本家を超えるのは容易ではありません。

自分のお店ならではの強みを活かしたオリジナリティのある商品を作り、他社や他店舗との差別化を図ることが成功の秘訣です。

また、商品の種類が多いほどseoでは有利に働く可能性がありますので、オリジナリティ溢れる商品だけでなく、スタンダードな商品も数多く揃えておくと良いでしょう。

店舗の味や歴史などの背景をストーリー化して伝える

ecサイトで成功するためには、ただ美味しい商品を作るのではなく、店舗の味や歴史などの背景をストーリー化して伝えることもポイントです。

例えば、創業した時の時代背景や使用している食材のほか、店長や料理長のインタビューなどをブログや動画などで公開すれば「こだわって作られている料理」という印象をユーザーに与えられます。

商品に込められたこだわりや背景は、お店のブランディングを高める上で非常に重要な要素ですので、しっかりと作り込みましょう。

おしゃれで見やすいデザインのサイト設計を考える

お店の特徴やコンセプトなどを活かしつつ、おしゃれで見やすいデザインのサイト設計を考えるのも成功の秘訣です。

ecサイトも実店舗と同じように「通い続けてもらうこと」が大切ですので、次も買いたくなるようなコンセプト作りとサイト設計を意識しましょう。

また、商品ページがごちゃごちゃしていたり、画像やページの読み込みが遅かったりするとユーザーの離脱率がアップするため、導線の分かりやすさや表示速度の速さも大切です。

ecサイトで売れやすい商品とは？

飲食店がecサイトを開設するにあたって「売れやすい商品選び」が重要になります。

食品関係のecサイトで扱われている商品のジャンルは多岐に渡るため、販売する商品選びに頭を悩ませる人は多いはずです。

ここでは、飲食店のecサイトで売れやすいとされている3つの商品ジャンルをご紹介していきますので、出店の際の参考にしてください。

店舗で提供している料理

店舗で提供している料理は、飲食店のecサイトにおける主力商品と言えるでしょう。

ただ、品質を保ったまま提供するため、真空パックや冷凍食品、缶詰めや瓶詰めなどで料理を販売するなど、販売方法を工夫する必要はあります。

コロナ禍以降は自宅で本格的な料理を楽しみたいグルメなユーザーが増加していますので、盛り付けるだけで食べられるコース料理のセットなども人気です。

自家製ソースやドレッシングなどの調味料

店舗の味を手軽に再現できる自家製ソースやドレッシングなどの調味料も、ecサイトで売れやすい人気商品です。

ユーザーの用途に合わせるのはもちろんですが、グルメ好きな人へのギフトにも活用しやすいジャンルですので、汎用性の高さは抜群と言えます。

最近ではアウトドア用のミックススパイスなども人気を博しているため、特定の用途に焦点を絞って調味料を開発するのも良いでしょう。

店舗のロゴ入りグッズ(タオル・Tシャツ等)

食品ジャンルだけでなく、店舗のロゴ入りタオルやTシャツといったオリジナルグッズも売れやすい商品と言えるでしょう。

オリジナルグッズを購入することによって、ユーザーの店舗に対する愛着が高まるため、ファンビジネスの視点でも有効な手段です。

登録したデザインのグッズを受注生産で販売してくれるサービスもありますので、マーケティングの一環として活用すると良いでしょう。

飲食店がecサイトに参入する際に注意すべきポイント

最後に、費用感やオペレーションなど、飲食店がecサイトに参入する際の注意点を解説します。

「実店舗で売っているものを通販で売るだけ」といった考えを持っている飲食店経営者の方も多いかと思いますが、実店舗とecサイトでは売り方やルールが異なります。

場合によって法的なトラブルに発展する可能性もありますので、トラブル予防のためにも把握しておきましょう。

ecサイトならではの費用感を身につける

飲食店がecサイトに参入する場合は「食品衛生法に基づく営業許可」が必要となるケースが多いです。

無許可で飲食物の製造・販売を行った場合、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が課せられる可能性があるため、営業許可に関しては特に注意が必要です。

食品衛生法に基づく営業許可は業種別で34種類も存在し、製造業だけでも22種類に分けられていますので、製造・販売する商品に合わせた営業許可の種類を事前に調べましょう。

実店舗とは違った営業許可が必要になることもある

ecサイトに参入する場合、遠方のユーザーに商品を届ける手段も考えなくてはいけません。

注文管理や在庫管理、発送の手続きや売り切れ時のWebサイトの更新、キャンセル対応や返品対応など、さまざまなケースを想定してオペレーションを整える必要があります。

オペレーションを整えるだけでなく、実施する人材も必要になりますので、あらかじめ人材確保も視野に入れておきましょう。

競合に勝つためのマーケティング戦略を練る必要がある

実店舗での営業は近隣の店舗が競合になりますが、ecサイトの場合は全国各地の店舗が競合店です。

そのため、同じジャンルの商品を販売している店舗を入念にリサーチし、他店との差別化やSNS運用といったマーケティング戦略を練る必要があります。

自分のお店に必要なマーケティング施策を客観的な視点で判断するのは難しいため、ecサイトに強いコンサルタントに依頼するのも1つの手段と言えるでしょう。

まとめ｜飲食店がecサイトで成功するための秘訣と参入のポイント

ecサイトの出店方法やecサイトを開くイメージが固まってきたのではないでしょうか。

しかし、自力でのecサイト構築や運用を成功させるには、webマーケティングの目線が必要になり、第三者からのサポートを受けるのも選択肢の一つです。

EC-Consulting Japanは、ヤフーショッピングを始めとする豊富な支援実績をもとに、ecサイトの分析や提案を行いますので、ぜひ無料相談をご活用ください。