楽天市場とAmazonの違いとは?ECモールのツートップを徹底比較

楽天市場とAmazonの違いとは?ECモールのツートップを徹底比較

ECモールに出店したいと考えているが、国内ツートップの楽天市場とAmazonのどちらにすればよいか迷っているという方は多いのではないでしょうか?

本記事では、楽天市場とAmazonの違いについて、費用やマーケティング視点などあらゆる面から比較して解説します。

最後まで読めば、楽天市場とAmazonの違いや、どちらを選んで出店・出品すればよいかについて理解できるようになるはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

【マーケティング目線】楽天市場とAmazonの事業の違い

【マーケティング目線】楽天市場とAmazonの事業の違い

マーケティング目線で見た楽天市場とAmazonの事業の違いは、大まかに言うと下の表の通りです。

楽天市場 Amazon
ユーザー数 5,104万人 4,729万人
売上 5.6兆円 6兆円
出店舗数 5万7,000 30万
ビジネスモデル テナント型(出店) マーケットプレイス型(出品)
得意ジャンル ・ファッション
・コスメ
・食品
・本
・家電
・消費財
ユーザー層 女性中心 男性中心

順番に詳しく紹介します。

事業の規模

楽天市場とAmazonの事業規模の主な数字は次の通りです。

  • ユーザー数|楽天市場が5,104万人、Amazonが4,729万人
  • 売上|楽天市場が約5.6兆円、Amazonは6兆円
  • 出店舗数|楽天市場が約5万7,000、Amazonが約30万

ビジネスモデル

楽天市場は「テナント型」、Amazonは「マーケットプレイス型」のECモールです。

「テナント型」は、各販売事業者が「出店」する形のECモールです。
各事業者は、モールの運営会社が用意したプラットフォーム上に、自社ショップのページを作って営業します。
イオンモールなどの現実のショッピングモールで、各テナントがモールの区画を借りて出店するのに似ています。
代表的な「テナント型」ECモールは、楽天市場やYahoo!ショッピングなどです。

「マーケットプレイス型」は、各販売事業者が「出品」する形のECモールで、各事業者は、プラットフォーム上にショップページを作るのではなく商品を出品して販売を行うというスタイルです。

スーパーマーケットで、各メーカーの商品が陳列されて売られているのと似ており、代表的な「マーケットプレイス型」ECモールには、Amazonが挙げられます。

得意ジャンル

楽天市場が得意なのは次のジャンルです。

  • ファッション・コスメ
  • 食品

どちらもオリジナル商品やプライベートブランドものを得意としており、食品ではクリスマスケーキやギフトなどのイベント物が人気です。
また、ファッションではプチプラ系と呼ばれる商品などが人気を集めています。

一方Amazon が得意なのは以下のジャンルです。

  • 家電
  • 消費財

ここで言う消費財とは、シャンプーなどの消耗品や重い食材が中心です。
スーパーなどで売っているものを、Amazonで調べて安かったら買うというような使い方がよくされています。

ユーザー層

楽天市場は女性、Amazonは男性の割合が多いという調査結果が出ています。

20代では楽天よりもAmazonを使う傾向にあるようです。

【ユーザー目線】楽天市場とAmazonのユーザーインターフェイスの違い

【ユーザー目線】楽天市場とAmazonのユーザーインターフェイスの違い

先に説明した通り、楽天市場とAmazonではビジネスモデルが異なります。

その違いがECサイトのUI(ユーザー・インターフェース)にも現れています。
UIとは簡単に言えば、ECサイトを構成しているデザインのことを指しています。

具体的にどのような違いがあるのか、順番に見ていきましょう。

サイト構成

楽天市場の方は、「モール型」と呼ばれるタイプです。
現実のショッピングモールと同じように、ユーザーはショップが展開するブランドや店舗の雰囲気も含めて評価し、商品を選びます。

購買行動としては、「誰から( Who)なにを(What)買う」という流れをとります。

一方Amazonの方は 、「カタログ型」と呼ばれるタイプです。
まるでカタログを眺めるようにして商品を選び、どこの事業者から買うかということはあまり意識されません。

購買行動としては、「なにを( What)誰から(Who)買う」という流れです。

商品ページ

楽天市場の方は、同じメーカーの同じ型番の商品がショップごとに複数並ぶことがあります。
ユーザーは各ショップを見て、価格やポイント還元率・発送の早さなどを比較して、どこから買うかを決めるという形になります。

Amazonの方はどうかと言うと、「同じ商品で複数のページが存在してはいけない」という思想に基づいたページ設計がされています。
つまり1商品につき、商品ページは1つしか作れません。メーカーのある型番の商品を検索したら、その型番の商品は1つしか表示されず、他の関連機種が並んで表示されます。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーとは、ユーザーがどのような経路をたどって購買に至ったかということを指す用語です。

楽天市場では、検索が約35%、メルマガが約35%、アフィリエイトが約20%という構成です。広告やプロモーションによる購買の比率が高いのが特徴です。

販売事業者自らが、広告を出したり、購入履歴があるユーザーにメルマガを配信してリピーターを増やしたりなどして売上につなげています。

一方のAmazonの方では、検索経由が約60%と一番多く、次がレコメンド(おすすめ)の約30%です。

Amazonは検索や購買のデータに基づき、アルゴリズムでユーザーを誘導し購買につなげているのです。

【出品者目線】楽天市場とAmazonの違い

【出品者目線】楽天市場とAmazonの違い

次に出品者の観点から見た楽天市場とAmazonの違いについて解説します。

出品者目線からみると、より違いが分かりやすくなるでしょう。

費用

楽天市場とAmazonに出店・出品する際にかかる初期費用や手数料などを紹介します。

楽天市場の場合

楽天市場は、初期費用、月額利用料、販売手数料(システム利用料)がかかります。
プランにより登録可能な商品数や使える画像容量が変わってきます。

がんばれ!プラン スタンダードプラン メガショッププラン
初期費用 60,000円 60,000円 60,000円
月額費用 25,000円
(月年間一括払い)
65,000円
(月半年ごとの2回分割払い)
130,000円
(月半年ごとの2回分割払い)
契約期間 1年 1年 1年
登録可能商品 10,000商品まで 50,000商品まで 無制限
画像容量 1.5GBまで 100GBまで 無制限
システム利用料
(それぞれ売上金額にかかります)
パソコン : 3.5%~6.5%
モバイル : 4.0%~7.0%
パソコン : 2.0%~4.0%
モバイル : 2.5%~4.5%
パソコン : 2.0%~4.0%
モバイル : 2.5%~4.5%

※全て税別価格
参照元 : 楽天市場|出店プランと費用・料金体系

Amazonの場合

Amazonは、どちらのプランでも初期費用はかかりません。

販売手数料は商品カテゴリーごとに細かく定められています。商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合に、8〜15%の手数料が売上金額に対してかかります。

小口出品 大口出品
プラン別の料金 100円/商品 4,900円/月
販売手数料 8%~15% 8%~15%

※全て税別価格
参照元 : Amazon|出品にかかる費用

出店・出品審査

楽天市場の審査には、「書類審査」と「オープン審査」の2段階があり、両方をクリアしないと商品を販売することができません。
審査期間は、「書類審査」が2週間から1ヶ月、「オープン審査」が3週間から1ヶ月、トータルで2ヶ月以上かかる場合があります。

一方Amazonの審査は、比較的容易です。本人確認書類など必要な書類を準備し、出品者用のアカウント登録をするだけです。
法人の場合は登記簿謄本が求められますが、それほど難しい操作はありません。審査もおおむね3日程度で終わります。

参照元 : Amazon出品用アカウント登録手順

このように、楽天市場の方がAmazonに比べて審査が厳格ですが、その厳しい審査をクリアしたということが信用につながるという面もあります。

商品の配送

楽天市場でもAmazonでも、出店者・出品者が自分で商品を発送するだけでなく、物流の代行サービスを行っています。
楽天市場は「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」、Amazonは「フルフィルメント by Amazon(FBA)」というサービスです。

両者の主な違いは、次の通りです。

サービス名 RSL
(楽天スーパーロジスティクス)
FBA
(フルフィルメント by Amazon)
サービス内容 ・入荷作業
・保管
・梱包
・配送
・受注
・保管
・梱包
・配送
・カスタマーサポート
料金 ・他モール向けも同じ料金
・全国一律料金
・Amazon向けと他モール向けで異なる料金
・地域別に異なる料金
配送スピード ・通常配送 : 翌日出荷
・翌日配送 : 15:30までの出荷指示で翌日配送
・当日配送は無し
・通常配送 : 出荷日の定めなし
・翌日配送 : 繁忙期にはできない場合も
・一部エリアのみ当日配送
配送会社 ・日本郵便と提携
(一定の配送クオリティ)
・複数の配送業者と提携
(クオリティにばらつきが出る可能性)

ポイント施策

楽天市場もAmazonもポイント施策を導入していますが、両者には違いが見られます。

楽天市場で買い物をすると、楽天ポイントが付与されます。楽天ポイントは「共通ポイント」の一つです。
1ポイント=1円の価値で楽天市場での買い物に使えるほか、楽天グループ各社のサービスや、他社のECサイトや実店舗などで幅広く使うことができます。

また楽天モバイルや楽天カードなど、他の楽天グループのサービスを組み合わせることで、付与率が増大します。

参照元 : 楽天ポイントガイド

Amazonポイントの方は、Amazonでの買い物やキャンペーンで付与され、1ポイント=1円としてAmazonでの買い物の際に使えます。

ただし楽天市場と違いAmazonは独自ポイントなので、Amazon以外のショッピングには使えません。

参照元 : Amazonポイント貯め方・使い方ガイド

広告

楽天市場とAmazonの広告を比べると、楽天はショップやブランドの認知を上げたり、キャンペーンやポイント施策と組み合わせて効果を出すことに優れています。
一方、Amazonは商品単位で検索と連動して訴求することに優れています。

楽天市場の主な広告は以下の5つです。

  1. RPP広告
  2. TDA(ターゲティングディスプレイ)広告
  3. 楽天CPA広告
  4. クーポンアドバンス広告
  5. 楽天広告

Amazonの主な広告は次の4つです。

  1. スポンサープロダクト広告
  2. スポンサーブランド広告
  3. スポンサーディスプレイ広告
  4. ストア広告

セール・キャンペーン

楽天市場とAmazonはどちらもセールやキャンペーンに力を入れています。
その上で、楽天市場はポイントアップを訴えるキャンペーンが多く、複数のショップで購入するとさらにポイント還元率が上がるキャンペーンも展開しているのが特徴です。

【楽天市場の主なセール・キャンペーン】

内容 開催時期
楽天お買い物マラソン ポイント還元(最大10〜44倍) 毎月開催(12月以外)
「5と0のつく日」 ポイント還元(4倍) 毎月開催
超ポイントバック祭 ポイント還元(最大7倍) 1月・12月(年末年始)
39ショップ買い物まわり ポイント還元(最大10〜44倍) 2月・8月 : 年1〜2回
楽天スーパーセール ポイント還元・クーポンなど 3月・6月・9月・12月 : 毎四半期
イーグルス大感謝祭 ポイント還元など 11月 : 年1回
ブラックフライデー ポイント還元、クーポンなど 11月 : 年1回
楽天大感謝祭 ポイント還元、クーポンなど 12月 : 年1回

【Amazonの主なセール・キャンペーン】

内容 開催時期
タイムセール祭り ポイント還元、人気商品 毎月開催(11月以外)
Amazon初売り ポイント還元、福袋など 1月 : 年1回
新生活セール 新生活家電、家具セールなど 3月 :  年1〜2回
Amazon GW セール ポイント還元、人気商品 4月 : 年1回
プライムデー Amazonプライム会員限定セール 7月 : 年1回
ブラックフライデー ポイント還元、家電など 11月 : 年1回
クリスマスギフト クリスマス商品など 12月 : 年1回
ホリデーセール 冬物をはじめとする人気商品 12月 : 年1回

楽天市場とAmazon出店のメリットと注意点

キーボードのキーに描かれた電球マーク

楽天市場とAmazonについて、出店・出品者の立場から見たそれぞれのメリットと注意点について解説します。

注意点を押さえる事で、より効率的に出店ができるでしょう。

楽天市場に出店・出品するメリットと注意点

メリット ・商品ページデザインの自由度が高い
・楽天ポイントによる高い集客力
注意点 ・審査に時間がかかるなど出店のハードルが高い
・商品ページを一から作る手間がかる

楽天市場では独自の商品ページをデザインできるため、自社商品やブランドの魅力をアピールしやすく、ショップ自体のファンを増やせます。

また、楽天ポイントを貯めることを目的として楽天市場で買い物をするユーザーも多く、集客が期待できるでしょう。

一方で、審査に時間がかかり与信も厳しいなど出店のためのハードルが高いことと、商品ページを一から作られければいけないので、手間がかかることには注意が必要です。

Amazonに出店・出品するメリットと注意点

Amazonに出店・出品するメリットと注意点は次の通りです。

メリット ・審査が簡単で気軽に出品できる
・商品ページを作る手間がかからない
注意点 ・独自性を発揮しづらい
・価格競争が起こりやすい

Amazonは審査が簡単で、商品ページも作る必要が無いため気軽に出品することができます。

一方で、ショップとしての独自性は発揮しづらくファンやリピーターが作りづらいことと、同じ商品はAmazonの同じ商品ページで比較されるので価格競争が起こりやすいことには注意が必要です。

楽天市場とAmazonどちらに出店すべき?

AとBの文字の間に立つ男性のミニチュア

ここまで楽天市場とAmazonのそれぞれの特徴を比較し、出店・出品者の立場から見たメリットや注意点について解説してきましたが、結局楽天市場とAmazonのどちらに出店・出品するのがよいのでしょうか?

「副業などでECモールに出品しそこそこ稼げればよく、小規模なビジネスのままでよい」という人には、出品のハードルが低くサイト構築の手間もかからないAmazonの方が向いているでしょう。

「本腰を入れてECモールでビジネスをしたい」「自社のファンを作り業績を作りたい」という人には、自社の商品やブランドの魅力をアピールしやすく差別化を図りやすい楽天市場を選ぶ方がよいでしょう。

いずれにせよ、ECモールで収益を上げるのは簡単なことではありません。ECモールごとの特性を理解した上で、状況に応じた施策を打っていく必要があります。

自社のリソースだけで対応するのが難しい場合は、モール型ECに精通したプロのサポートを受けてみてはいかがでしょうか?

EC-Consulting Japanは、収益が出るモール型ECの制作、運用に特化したコンサルティング会社です。

結果を出したい人は、ぜひ数多くの実績とノウハウを持つEC-Consulting Japanに相談してください!

モール型ECの専門家に相談するkeyboard_arrow_right

楽天市場とAmazonの違いについてのまとめ

本記事では、日本のECモールのツートップである楽天市場とAmazonについて、「マーケティング目線」「ユーザー目線」「出品者目線」のそれぞれで両者を比較してきました。

楽天市場に出店・出品する場合とAmazonに出店・出品する場合のメリット・注意点と、結局どちらに出店・出品するのがよいのかについても解説しました。

ECモールに出店・出品して収益を出すのは簡単なことではありません。
EC-Consulting Japanは、机上の空論ではなく実際に複数のECサイトを自社で運用し、再現性の高いノウハウを日々ブラッシュアップし続けています。

本気で結果を出したい人は、ぜひ弊社までご相談ください。

結果を出すECモールの出店相談はこちらkeyboard_arrow_right

記事の監修者

EC-Consulting Japan株式会社 代表取締役社長

松下 直人

松下 直人

会社員時代に個人輸入した商品をネットで売ったことがきっかけで、EC事業に目覚める。
その後輸入から販売までのフローを組織化し、EC-Consulting Japan株式会社を創業。
現在は自社で複数のネットショップを運営しながら、自信の経験と自社の成功&失敗事例を元に、副業の個人から中小零細企業まで幅広くサポートしている。

関連記事

【最新版】楽天広告の種類・運用方法・選び方を徹底解説!

【最新版】楽天広告の種類・運用方法・選び方を徹底解説!

楽天市場の出店失敗を避けるには?よくある原因と解決策を徹底解説

楽天市場の出店失敗を避けるには?よくある原因と解決策を徹底解説

楽天市場の成功ノウハウ!プロが教えるショップ運営の実践法とコツ

楽天市場の成功ノウハウ!プロが教えるショップ運営の実践法とコツ

楽天市場は出店審査が厳しい?審査の流れ・期間・NG理由・対策を解説

楽天市場は出店審査が厳しい?審査の流れ・期間・NG理由・対策を解説

Yahoo!ショッピングの出店手順は?審査難易度と通過しないときの対処法も解説

Yahoo!ショッピングの出店手順は?審査難易度と通過しないときの対処法も解説

楽天市場で売れない原因は集客?今すぐできる売上アップの秘策を伝授

楽天市場で売れない原因は集客?今すぐできる売上アップの秘策を伝授

ブログ一覧へ戻るkeyboard_arrow_left

お問い合わせ

ご相談はお気軽にご連絡ください。
メールは24時間365日受付しております。