ECサイト運営のバックエンド業務とは?内容や業務効率化のポイントも解説

ECサイト運営のバックエンド業務とは?内容や業務効率化のポイントも解説

「ECサイト運営にバックエンド業務が必要だと分かったが、具体的にどのような業務か分からない」「必要なスキルや効率化について知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

この記事では、バックエンド業務の概要から、必要なスキルについて詳しく解説します。

ECサイトを効率的に運用するための情報もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイト運営におけるバックエンド業務の内容は?

パソコンを操作する女性

ECサイト運営におけるバックエンド業務とは、直接顧客の目に触れない部分の業務全般を指します。
ここでは具体的な内容や大切な業務について、1つずつ解説します。

商品情報の作成・登録

まず、商品の「基本情報」をECシステムに登録します。
具体的な項目は下記の通りです。

  • 商品名
  • 商品コード(JANコードなど)
  • 販売価格
  • 販売日時

次に、顧客に商品の特徴を伝える「詳細情報」を、作成・登録します。
詳細情報の素材を制作する仕事は、「ささげ(さ=撮影、さ=採寸、げ=原稿)」業務と呼ばれています。

撮影 商品の写真を撮影する
採寸 商品の正確なサイズを計測する
原稿 商品の特徴や魅力を紹介する説明文やキャッチコピーを書く

商品情報の作成・登録には、商品の情報を正確に伝えられる人材が求められます。

受注処理

受注処理は、バックエンド業務の要とも言える重要な仕事です。
受注から出荷までの業務を総称して「フルフィルメント業務」と呼びます。
具体的な手順は、次の通りです。

  • 注文情報の確認
  • 受注確認メールの送信
  • 在庫引き当て(注文が入った商品の発送ができるように在庫を確保すること)
  • 入金確認
  • 出荷指示(配送先の情報をまとめ伝達)
  • 売り上げ予測を立てる

受注処理を担当する人材には、何よりも正確さが求められます。
また顧客の個人情報を扱いますのでコンプライアンスの意識がしっかりしている人材が向いているでしょう。

在庫管理

在庫管理は、商品を過不足なく管理する仕事です。商品仕入れ、受注、出荷など他の担当と密に連携しながら業務を行います。
具体的な仕事内容は、下記の通りです。

  • 商品を仕入れた際・売れた際の在庫更新
  • 棚卸しによって発覚した誤差確認
  • 販売予測に基づく調整

在庫管理は、利益に直結する重要な仕事です。
注文があっても商品が品切れしていたら、売上を立てられず機会損失につながります。
一方、過剰在庫となると保管費や維持費など経費だけがかさみ、赤字が発生してしまいます。

そのため、在庫管理担当者には数値管理能力と正確性が求められます。

出荷担当

出荷担当は、受注担当と合わせて「フルフィルメント」と呼ばれることもあります。
具体的な仕事の手順は、下記の通りです。

  • ピッキング(出荷指示に従い、倉庫内の商品を集めること)
  • 検品(商品に問題がないか確認すること)
  • 商品の梱包
  • 伝票の貼り付け
  • 配送業者への引き渡し

この中で梱包作業は、顧客とつながる大切な役割があります。商品が届いて顧客が最初に目にするのが梱包状態なので、梱包の良し悪しがECサイトの評価を左右します。

出荷担当に求められるのは、手順に従って正確に業務をこなす能力、効率的に作業する能力などです。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、お客様の様々な問い合わせに対応する仕事です。
問い合わせの主な内容は、下記の通りです。

  • 商品の内容
  • 支払い方法
  • 配送ステータス
  • キャンセル・返品・交換に関すること

これらの問い合わせに対し的確に対応するのはもちろん、社内各部門にフィードバックする役割も担う必要があります。

フロント業務を含めた社内の各部門の中で、唯一お客さまと直に接するポジションであるため、ECサイトの評価を高める上で重要な仕事です。

カスタマーサポートを担当する人材には、顧客対応スキルや忍耐力が求められます。

ECサイトにおけるフロント業務との違い

疑問符とふきだし

ECサイト運営におけるフロント業務とは、バックエンド業務とは逆に直接ユーザーの目に触れる部分の業務のことです。

具体的には、商品企画、商品仕入れ、ECサイト制作、マーケティングなどの売上に直結する業務を指します。

フロント業務 バックエンド業務
業務 ・商品企画
・商品仕入れ
・ECサイト制作
・マーケティング
・商品情報作成
・登録
・受注処理
・在庫管理
・出荷
・カスタマーサポート
売上寄与 直結する 直結しない
差別化 図りやすい 図りにくい
位置付け コア業務 周辺業務

ECサイト事業の柱は、魅力的な商品を用意しECサイトを立ち上げて売ることですから、フロント業務は事業のコア業務と言ってもよいでしょう。

一方、バックエンド業務は重要な仕事ではありますが、売り上げ寄与に直結する業務ではないため、バックエンド業務に会社の多くのリソースが割かれてしまうと、ECサイト事業の利益はスケールしづらくなります。

そのため、バックエンド業務に必要なのは、コストを抑えつつ効率化を目指す必要があります。

バックエンド業務を効率化する3つのポイント

電球のイラストが描かれたブロック

バックエンド業務を効率化するには、以下の3つがポイントになります。

  • 自社の組織や人員を見直すこと
  • 専用のシステムやツールの導入
  • 外部の代行サービス専門業者にアウトソーシングすること

順番に見て行きましょう。

組織や人員の見直し

ECサイト運営のバックエンド業務には、プロセス(手順)が定まった定型業務が多く含まれています。

リーダーやベテランが、難しい判断が求められる業務に専念できるように、定型業務はマニュアル化して初心者に移管するのが全体の効率を上げるために有効です。

業務によっては、在宅で働いてくれる外部の人材を活用するのも良いでしょう。
単純作業だけでなく「ささげ業務」など専門的な仕事も、クラウドソーシングサイトなどを通せば全国から探すことが可能です。

システムやツールの導入

バックエンド業務に専用のシステムやツールを導入すれば、人為的なミスが無くなると同時に人件費を削減できるので、業務効率化に大きく貢献します。

バックエンド業務に導入できる主なシステムやツールは下記の通りです。

受注・在庫管理・出荷業務
・顧客からの注文を受け付けるショッピングカートシステム
・受注から出荷・入金までを一元管理する「受注管理システム」= OMS(Order Managemant System)
・倉庫内の作業を一元管理する「倉庫管理システム」= WMS(Warehouse Management System)
カスタマーサポート業務
・自動音声応答システム=IVR(Interactive Voice Responce)
・botツール
・チャットツール

また、いずれの分野でもAIやビッグデータの活用が急速に進んでいます。

代行サービスへのアウトソーシング

バックエンド業務の一部あるいは全体的な運用を外部の専門業者に委託することで、大幅な業務効率化が図れます。
具体的なサービスには下記のものがあります。

物流代行 商品の入荷から在庫管理、出荷にいたるまでの物流業務を代行
カスタマーサポート代行  商品説明からアフターフォローまでカスタマーサポート全般を代行
EC運用代行  クライアント側で商品確保やコンセプトだけ決めておけば、運用に関するあらゆる業務を代行

バックエンド業務をアウトソーシングするメリット

メリットの文字

バックエンド業務をアウトソーシングすることによって、次のようなメリットが得られます。

  1. コストが削減できる
  2. 業務品質が向上する
  3. コア業務に集中できる

1つずつ解説します。

メリット1 : コストの削減

バックエンド業務をアウトソーシングすれば、各業務にかかるコストを削減できます。
特に社員の採用・教育などのコストをかけることなく専門的な人材を活用できますので、人件費の大幅な削減が可能になります。

メリット2 : 業務品質の向上

バックエンド業務の各分野では、最近AIの活用を含め技術や手法がどんどん進化しており、代行サービスの専門業者は常に最新の動きをキャッチアップしています。
自社で新しい技術や手法を導入するのは大変ですが、アウトソーシングにより手間をかけることなく最先端の業務品質を実現できます。

メリット3 : コア業務への集中

バックエンド業務をアウトソーシングすることで、それらの業務に割かれていたヒト・モノ・カネなどの経営資源が解放されます。
それにより、ECサイト事業のコア業務であるフロント業務にリソースを集中できます。

バックエンド業務をアウトソーシングする際の注意点

虫眼鏡と感嘆符

アウトソーシングにより大きなメリットが得られる一方、安易な導入は思わぬリスクを招きます。
バックエンド業務をアウトソーシングする際には、以下のポイントに注意しましょう。

  1. ガバナンスが弱体化する可能性
  2. 社内にノウハウが蓄積されない可能性

①ガバナンスが弱体化する可能性

アウトソーシングにより、業務の工程に目が行き届かなくなり品質管理がうまくいかなくなる可能性があります。
場合によっては、情報漏洩のリスクも高まります。
信頼できる業者を選ぶこと、任せきりにしないことが大切です。

②社内にノウハウが蓄積されない可能性

アウトソーシングすることで、委託業務のノウハウが蓄積されにくくなります。委託先の事業撤退や方針転換があり、いざ自社で運用しようと思ったら何もできないということにもなりかねません。

これらのリスクを避けるためには、アウトソーシングする業務と委託先の能力をよく見極め、すり合わせておくことが必要です。

そうは言っても、自社の業務の何をどこまで委託するかどうかや、変化の激しい代行サービスの動向を把握するのは簡単なことではありません。

バックエンド業務を効果的にアウトソーシングするために、ECサイト運用において高い実績を持つ弊社EC-Consulting Japanへご相談ください。

ECサイトバックエンド業務のまとめ

ECサイト運用におけるバックエンド業務とは、直接ユーザーの目に触れない仕事です。重要な業務ですが、売上に直結する仕事ではありません。

会社のリソースをコア業務に集中させるためには、代行サービスへのアウトソーシングなどが考えられますが、やり方によってはリスクもあります。

御社のECサイトのバックエンド業務を効果的にアウトソーシングするために、高度なノウハウを持つEC-Consulting Japanにご相談ください。

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記事の監修者

EC-Consulting Japan株式会社 代表取締役社長

松下 直人

松下 直人

会社員時代に個人輸入した商品をネットで売ったことがきっかけで、EC事業に目覚める。
その後輸入から販売までのフローを組織化し、EC-Consulting Japan株式会社を創業。
現在は自社で複数のネットショップを運営しながら、自信の経験と自社の成功&失敗事例を元に、副業の個人から中小零細企業まで幅広くサポートしている。

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