ゼロから始めるECサイト!失敗しない始め方から成功の秘訣まで
2025.06.11


「オンラインで商品を売りたい」
「自社のネットショップを持ちたい」
インターネットでの買い物が当たり前になった今、EC(電子商取引)市場はますます拡大しています。
経済産業省の調査によれば、2023年の日本国内の消費者向けEC市場規模は、物販だけでも約14.7兆円に達しました。
出典:経済産業省|令和5年度 電子商取引に関する市場調査(2024年9月公表)
この成長市場に、あなたも挑戦したいと考えているかもしれません。
しかし、いざ始めようとすると「何から手をつければ…」と戸惑う方も少なくないでしょう。
この記事では、ECサイト運営の経験がない初心者の方でも安心してスタートできるよう、ECサイトの始め方についてご紹介します。
失敗しないための準備から、開設、運営、そして成長の秘訣まで、要点を絞りつつも、必要な情報をしっかり盛り込んで分かりやすく解説します。
ECサイト立ち上げ前に不可欠な4つの準備ステップ


ECサイト成功の鍵は、実は開店前の準備にあります。
焦らず、以下の4つのポイントをしっかり押さえて、揺るぎない土台を作りましょう。
- 勝てる場所を探す:市場調査と競合分析
- ルールを守って信頼を得る:法規制の確認
- お金の計画は現実的に:コストの試算
- 誰が何をするか?:運営体制の検討
勝てる場所を探す:市場調査と競合分析
あなたが参入しようとしている市場はどんな状況でしょうか?
どのような顧客がいて、彼らが何を求めているのか、また、ライバルとなるお店がどのような戦略を採用しているのかを把握することが大切です。
これらを事前に調査・分析することで、自社の強みを活かせる道筋や他社との差別化ポイントが見えてきます。
難しく考えず、まずは検索したり、大手ECモールを覗いたりすることから始めてみましょう。
ここで得た情報は、後の商品選定やコンセプト作りにも直結します。
ルールを守って信頼を得る:法規制の確認
ネットショップも、社会の一部として守るべき法律があります。
特に「特定商取引法」に基づく運営者情報の表示は必須です。
他にも、個人情報保護法や景品表示法など、関連するルールを事前に確認し、必要な準備(プライバシーポリシー作成、許認可取得など)を整えましょう。
ルールを守る誠実な姿勢が、ユーザーからの信頼の第一歩です。
参考:消費者庁「特定商取引法ガイド」
お金の計画は現実的に:コストの試算
ECサイトの立ち上げには、サイト制作費や仕入れ費用などの初期投資が、運営には、システム利用料や決済手数料、広告費などのランニングコストがかかります。
どのような費用が、いつ、どれくらい発生するのかを事前に把握し、無理のない資金計画を立てることが事業継続の要です。
「思ったより費用がかさんで続けられない…」とならないためにも、現実的な試算が不可欠です。
誰が何をするか?:運営体制の検討
サイト運営には、商品管理、マーケティング、顧客対応など多くの業務があります。
これらを誰が担当するのか、あるいは外部の力を借りるのか。自社のリソース(人、時間、スキル)を見極め、効率的な運営体制を考えておくことが、スムーズなスタートを切るために重要です。
特に、コア業務(商品企画など)と、外部委託も可能な業務(物流など)を切り分けて考える視点も有効です。
ECサイト開設に向けた4つの基本ステップ


準備が整ったら、いよいよお店のコンセプトや計画を具体化していきます。ECサイトの成功は計画的な実行にかかっています。
ここからは、実際にECサイトを立ち上げるための具体的なステップを順に見ていきましょう。
- ステップ①:何を販売するか?「商材」の決定
- ステップ②:誰に届けたいか?「コンセプト」と「ペルソナ」
- ステップ③:どこを目指すか?具体的な「目標」設定
- ステップ④:誰が担当するか?「運営担当者」の明確化
ステップ①:何を販売するか?「商材」の決定
お店の核となる商品・サービスを決めます。
利益性や配送のしやすさも大切ですが、何よりもあなたが情熱を持って扱えるものであるか、そして市場で求められているかが重要です。
自社の強みと市場ニーズが合致するポイントを探しましょう。
ステップ②:誰に届けたいか?「コンセプト」と「ペルソナ」
「どんな人に、どんな価値を提供したいのか」というお店のコンセプト(旗印)と、理想のユーザー像(ペルソナ)を明確にしましょう。
これがお店の個性となり、ファン作りの基盤となります。
ステップ③:どこを目指すか?具体的な「目標」設定
「いつまでに、何を、どれくらい達成したいか」という具体的な目標(売上、顧客数、リピート率など)を設定しましょう。
「SMART」の法則を参考に、測定可能で達成可能な目標を立てることが、モチベーション維持と進捗管理に役立ちます。
【SMARTの法則】
- Specific(具体性)
- Measurable(計測可能性)
- Achievable(実現可能性)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(明確な期限)
ステップ④:誰が担当するか?「運営担当者」の明確化
運営に必要な業務を誰が責任を持って行うのかを決めます。
役割分担を明確にしておくことで、「誰がやるか決まっていない」という事態を防ぎ、スムーズな運営が可能になります。
どうやってお店を作る?ECサイト構築方法の選択肢

お店の計画が決まったら、次はそれを形にする「場所」、つまりECサイトの構築方法を選びます。
様々な選択肢がありますが、事業規模や目的に合わせて選ぶことが重要です。
ECサイトの構築方法には、主に以下の種類が挙げられます。
- 無料ASP
- 有料ASP
- パッケージ
- クラウドEC
手軽に始めたい個人の方やスモールスタートには、初期費用を抑えられる「無料ASP」が適しています。
専門知識がなくても始めやすい反面、機能やデザインの自由度は限定的です。
より本格的な機能やデザイン、独自ドメインでのブランディングを求めるなら、「有料ASP」が選択肢となります。
月額費用はかかりますが、ビジネスの成長を支える機能が充実しています。
そして、大規模なサイトや、基幹システムとの連携、独自の機能開発が必要な場合は、「パッケージ」ソフトウェアや高機能な「クラウドEC」が検討されます。
これらは初期費用や開発期間が必要ですが、自由度と拡張性に優れています。
これらはあくまで代表的な分類で、ご自身の事業計画や予算、将来の展望などを考慮し、「今の自分たちに最適な方法はどれか」という視点で選ぶことが重要です。
各サービスのウェブサイトで詳細を確認したり、資料請求をしたりして比較検討しましょう。
開店してからが本番!ECサイト運営 3つの成功法則

ECサイトは作って終わりではありません。
ユーザーに訪れてもらい、購入してもらい、そして再び訪れてもらうための地道な運営努力が成功の鍵を握ります。
- 法則1:商品ページの魅力を磨き続ける
- 法則2:お店を知ってもらう努力を怠らない(集客)
- 法則3:お客様の声(レビュー)を集め、活かす
法則1:商品ページの魅力を磨き続ける
ユーザーが購入を決める最重要ポイント、それが商品ページです。商品の魅力が最大限伝わるよう、常に改善を意識しましょう。
高品質な写真は不可欠です。様々な角度からの写真はもちろん、例えばアパレルなら着用イメージ、雑貨なら実際の使用シーンが伝わる写真があると、ユーザーはぐっと購入しやすくなります。
商品の質感やサイズ感が分かるような工夫も重要です。
商品説明文も同様です。ただ機能を並べるだけでなく、「この商品であなたの〇〇な悩みが解決できます」といった、ユーザーにとっての価値(ベネフィット)を語りかけることが重要です。
ユーザーが知りたいであろう情報(素材、サイズ、使い方、注意点など)を網羅し、分かりやすく伝えましょう。
さらに、実際に購入した人のレビュー(口コミ)を表示したり、「この商品と一緒に購入されています」といった関連商品を提案したりすることも、ユーザーの疑問や不安を解消し、購入への最後のひと押しとなります。
法則2:お店を知ってもらう努力を怠らない(集客)
素晴らしいお店も、知られなければ存在しないのと同じです。多様な方法で集客に取り組みましょう。
基本となるのはSEO(検索エンジン最適化)です。
検索結果で上位に表示されるよう、サイト構造やコンテンツを改善していく地道な取り組みが、長期的な集客に繋がります。
より早く効果を出したい場合はWeb広告も有効です。
特定のキーワードで検索している購買意欲の高い層に届けたいならリスティング広告、視覚的に商品の魅力を伝えたいならInstagramなどのSNS広告など、目的に応じて使い分けることが重要です。
また、SNSでの情報発信も欠かせません。お店のファンを作り、ユーザーとの繋がりを深める場として活用しましょう。
これら以外にもメールマガジンなど様々な方法がありますが、最初から全てを行う必要はありません。
まずは自社のリソースやターゲット顧客に合わせて、取り組みやすいものから始めてみましょう。そして、効果測定を行いながらより効果的な方法を見つけていくことが大切です。
法則3:お客様の声(レビュー)を集め、活かす
オンラインでは実物を手に取れないため、購入を迷っているユーザーにとって、実際に使った人の声(レビュー)は何より信頼できる情報源となります。
レビュー投稿を促す仕組み(購入後のメール依頼や、投稿者へのささやかな特典など)を取り入れ、積極的にレビューを集めましょう。ただし、高評価を強要するような依頼は避け、あくまで自然な投稿を促すことが重要です。
集まったレビューは、商品ページに分かりやすく表示するだけでなく、お店への信頼を高めるコンテンツとして活用できます。
良い点も改善点も含めて、ユーザーの生の声は、商品開発やサービス改善のための貴重なヒントの宝庫でもあります。真摯に耳を傾け、改善に繋げる姿勢が、さらなる顧客満足を生み出します。
さらに上を目指す!売上拡大のためのヒント

運営が軌道に乗ったら、次のステージとして売上拡大を目指しましょう。
現状維持に甘んじることなく、常に改善と挑戦を続けることが重要です。
- データ分析に基づく継続的改善
- 顧客単価を高める工夫
- リピーターの育成(CRM戦略)
- モバイルフレンドリーの徹底
- カゴ落ち対策の実施
データ分析に基づく継続的改善
データ分析に基づいた改善は不可欠です。
Google Analyticsなどのツールを活用し、アクセス数・購入率・顧客単価といった数値を定期的にチェックしましょう。
「なぜこのページの離脱率が高いのか?」「どの集客方法が効果的か?」といった疑問を持ち、データという客観的な事実に基づいて改善策を考え、実行し、効果を検証する(PDCAサイクル)。
この地道な繰り返しが、着実な成長への道筋です。
顧客単価を高める工夫
顧客単価を高める工夫も考えましょう。
関連商品を提案する「クロスセル」や、より上位の商品を勧める「アップセル」といった手法があります。
例えば、「この商品を買った人はこちらも見ています」というレコメンド機能は、多くのECサイトで効果を上げています。
「あと〇〇円で送料無料」という表示も、追加購入を促す効果的な施策です。
リピーターの育成(CRM戦略)
リピーターの育成(CRM)は安定経営の鍵です。
新規顧客獲得にはコストがかかるため、一度繋がったユーザーとの関係を大切にし、長くファンでいてもらうことが重要になります。
会員制度を設けたり、購入後のフォローメールや、顧客の興味に合わせたメールマガジンを送ったりするなど、継続的なコミュニケーションを通じて、お店への愛着(ロイヤルティ)を高めていきましょう。
モバイルフレンドリーの徹底
忘れてはならないのが、スマートフォンでの利用体験(モバイルフレンドリー)の向上です。
今やECサイトへのアクセスの多くはスマートフォンからです。
表示速度が遅い、ボタンが押しにくいといったストレスは、即座に離脱につながりかねません。
常にスマホユーザーの視点で、見直しと改善を続けましょう。
カゴ落ち対策の実施
購入の最終段階での離脱(カゴ落ち)を防ぐ工夫も大切です。
希望する決済方法がなかったり、配送に関する情報が不明確だったりすると、ユーザーは購入をためらってしまいます。
決済手段を充実させ、送料や配送予定日を分かりやすく表示するなど、購入完了までのハードルをできる限り下げることが、売上アップに直結します。
まとめ:ECサイト成功への道のりは、学びと改善の連続
ECサイトの立ち上げ準備から、開設、運営、そしてさらなる成長戦略まで、その要点を解説してきました。
ECサイト運営で成功を収めるためには、一夜にして魔法のような結果が出るわけではありません。
しかし、正しい知識を学び、基本に忠実に、そして何より諦めずに改善を続けていくことが最も重要です。
成功への要点を改めて整理しましょう。
- 入念な準備で土台を固める。
- 明確なコンセプトでお店の軸を作る。
- 最適な基盤選びをする。
- 顧客視点でサイトと商品ページを作り込む。
- 積極的な集客でお店を知ってもらう。
- 顧客との関係を大切にし、リピーターを育てる。
- データに基づき、改善を継続する。
ECサイト運営は、立ち上げてからが本当のスタートであり、終わりなき改善の旅とも言えます。
市場の変化や顧客のニーズにアンテナを張り、常に学び続ける姿勢が求められます。
この記事が、これからECサイトを始めるあなたの、そして更なる成長を目指すあなたの、確かな一歩を後押しできれば幸いです。
ぜひ、あなたのECサイトが、多くのお客様に愛され、ビジネスとして成功を収めることを心から願っています。
また、EC-Consulting Japanでは「売れ続けるECサイト」を作りたい方に向けて、幅広く支援をしています。
利益を出すためのノウハウの提供から、運用代行や集客に至るまでサポートを行っているので、お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
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