中国越境ECの参入方法と利益を最大化させるポイント・注意点も解説

中国越境ECの参入方法と利益を最大化させるポイント・注意点も解説

市場の大きさから中国越境ECへの参入を検討しているものの、具体的な参入方法や「どうすれば利益を出せるのか」でお悩みの方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、中国越境ECへ参入する方法にはECモールへの出店や業務委託などの様々な選択肢があり、成果を上げるには市場とニーズを調査することが重要です。

この記事では、中国越境ECの利益を最大化する方法参入前に把握しておくべきリスク日本企業の化粧品などの人気商品を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

中国越境ECに参入する3つの方法

スマホで利用できるショッピングサイト

中国越境ECに参入することで、自社ショップの販路や新たなユーザー層の開拓が期待できますが、参入にハードルの高さを感じる方も少なくありません。

中国越境ECへの主な参入方法には「ECモールへの出店」「中国国内でのECサイト立ち上げ」「EC事業者への業務委託」が挙げられ、それぞれにメリットやリスクがあります。

まずは、中国越境ECに参入する方法をご紹介するので、ネットショップの運営に興味がある方も参考にしてみてください。

【中国越境ECに参入する3つの方法】

  • 中国国内のECモールへの出店
  • 中国国内に自社ECサイトを立ち上げる
  • 中国越境EC事業者に業務委託する

①中国国内のECモールへの出店

中国越境ECへ参入する1つ目の方法は、中国国内の大手ECモールへ出店することです。

中国のECモールに出店することで、ECモールが持つ知名度と集客力を利用できるため、テスト販売が実施しやすいほか、参入ハードルが低いといった魅力もあります。

自社ECサイトのように、モバイル決済などを導入する必要がない利点もありますが、ECモールによっては出店にあたって売上の最低ラインが設定されていたり、利用手数料が発生するなどのデメリットもあります。

②中国国内に自社ECサイトを立ち上げる

中国越境ECへ参入する2つ目の方法は、中国国内に自社ECサイトを新規に立ち上げることです。

中国国内に自社ECサイトを立ち上げる方法は、ショップデザインや運営方針の自由度が高く、自社やサービスをブランディングしやすいというメリットがあります。

ECモールへの出店とは違い利用手数料が掛からない点も魅力ですが、発送手続き・サービスのローカライズ・決済システムなどを全て自社ショップで準備する必要があり、若干難易度が高い選択肢とも言えます。

もし、越境ECの立ち上げをお考えの方は立ち上げから運用・集客まで支援可能な弊社にぜひご相談ください。

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③中国越境EC事業者に業務委託する

中国越境ECへ参入する3つ目の方法は、中国越境EC事業者に業務委託することです。

海外にECサイトを構えて現地のユーザーと直接取引することにハードルの高さを感じる場合は、中国越境EC事業者に業務委託してみるのも良いです。

中国越境EC事業者は、独自で築いたコネクションや販路を活用して業者と消費者をマッチングしてくれるので、手数料は発生するものの中国越境ECの基盤作りを行いたい方にも向いています。

中国越境ECで人気が高い日本企業の製品は?

化粧品とリーフ

中国越境ECに参入する際、「どのような日本製品商品が中国で売れやすいのか」を知ることが成功のカギと言えます。

実際日本企業の製品は「安全性や品質が高い」として中国での需要が高く、化粧品・サプリメント・生活用品といった、安全性が求められる商品が売れやすい傾向にあります。

ここからは、中国越境ECで人気が高い3種類の日本企業の製品をご紹介するので、取り扱う商品のラインナップでお困りの方もぜひ参考にしてみてください。

①化粧品

中国越境ECで取引される日本企業の製品の中で、特に人気が高いのがスキンケアアイテムなどの化粧品です。

日本企業の化粧品は厳しい安全基準をクリアした安全性の高さで知られており、美容意識の高い中国でも「日本の化粧品は品質が高い」として非常に高い需要があります。

ただし、化粧品を中国へ輸出する際は「NMPA(中国国家薬品監督管理局)」の登録が必要となるため、化粧品を販売する前にしっかりと規制の内容を確認しておきましょう。

②サプリメント・健康食品

中国では健康志向の高まりから、日本企業のサプリメントや健康食品にも注目が集まっています。

原材料や製造工程には厳しい管理基準が設けられており、体内に取り入れるリスクの低さや安全性が高い点が評価されています。

特に日本のサプリメントや健康食品は「特定保健用食品(トクホ)」の認定を受けた製品も多く、科学的な根拠が提示されている点も中国で商品が売れている理由と考えられるでしょう。

③生活用品

中国越境ECでは、ボディーソープなどの生活用品も高い人気を誇っています。

直接肌に触れたり口に含む商品についても、日本製品の優れた品質やリスクの低さから中国越境ECでは高い需要があり、その中でもシャンプーや歯磨き粉といった商品が売れています

例えば、肌に優しいアミノ酸系の成分を配合しているボディーソープや、虫歯予防・ホワイトニング効果に優れている歯磨き粉など、子供から大人まで使いやすい点も高く評価されています。

利益最大化のために中国越境ECで抑えるべきポイント

利益を上げるイメージ

中国越境ECへの参入方法や、化粧品・生活用品などの人気商品をご紹介してきましたが「利益を最大化させるにはどうすれば良いのか」も大きな悩みどころです。

国内ECと違い市場規模が非常に大きい中国越境ECでは、現地の市場とニーズを理解していることや、広く普及している決済方法への対応状況などが売上を大きく左右します。

続いては、利益最大化のために中国越境ECで押さえるべきポイントを解説するので、売上に伸び悩んでいるオーナーの方もぜひ参考にしてみてください。

中国市場と現地の消費者ニーズを理解する

中国越境ECの利益を最大化させるには、規模の大きな中国市場と現地ユーザーのニーズを掴むことが最も重要なポイントです。

たとえ日本よりも市場が大きい中国市場であっても、ユーザーのニーズにマッチしない商品は売れません。参入する前には、販売したい商品が現地の消費者にどの程度の需要があるのかを調査しておきましょう。

売りたい商品のニーズを調べる際には、ネット検索やアンケートを活用したり、SNSを活用して中国のトレンドやユーザーの声をチェックすることをおすすめします。

中国語が話せるスタッフの雇用

中国越境ECはユーザーの大多数が中国在住であることから、中国語の会話や文章のやり取りができるスタッフを雇用する必要があります。

日本人の従業員は中国の文化を理解した上での対応が難しいことも多いため、中国のビジネス慣習などに精通しているスタッフを雇用することが望ましいでしょう。

また、各ECサイトの最新情報や規約なども中国語で掲載されているケースが多いため、様々なトラブルやリスクを回避するためにも中国語を理解できるスタッフが必要です。

モバイル決済・チャットへの対応

中国では「Alipay(アリペイ)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」などのモバイル決済が広く普及しており、決済方法の対応状況が利益に大きな影響を与えます。

中国のインターネット人口は6億5,000万人を超えているとされ、ECサイトでの支払いはモバイル決済が主流になっていることから、対応できる決済方法が少ないと機会損失の可能性が高まります。

また、中国ではチャットでのカスタマー対応が一般的なので、導入するAIやチャットボットの対応力も顧客満足度を左右する要素になり得るでしょう。

中国越境ECの参入前に知っておきたいこと

青いビックリマーク

中国越境ECに参入することで新たなユーザー層の獲得や売上アップが見込める一方で、いくつかの注意点が存在します。

中国越境ECでは、現地の通貨や法律に関連した予期せぬトラブルが発生する可能性があるため、想定されるリスクへの対策も同時に進める必要があります。

最後に、中国越境ECの参入前に把握しておきたい4つのリスクについて解説するので、トラブルを未然に防ぐためにも目を通してみてください。

国内ECよりも配送コストが高い

中国越境ECでは、国内ECと比較して配送料・配送時間といったコストの負担が大きくなりがちな点に注意が必要です。

特に、日本から海外へ商品を配送する際には関税が掛かりますが、国際郵便や国際宅急便を利用した際は関税が免除されるので、積極的に活用してみましょう。

ただし、国際郵便・国際宅急便にはそれぞれサイズや金額の規定があるため、取り扱う商品によっては利用できないケースもある点にご注意ください。

為替相場に影響されやすい

中国越境ECは中国の通貨で取引が行われるため、為替相場によって仕入れの費用や売上金額に影響が出やすい点に注意が必要です。

例えば、円安が進むと中国側から見て値段が安く感じられることから売上が増加する一方で、海外から商品を仕入れる際には仕入れコストが上がりやすいといったデメリットもあります。

特に、利益率の低い商品を販売する場合は為替相場の影響を大きく受ける傾向があります。「国内ECで売上の基盤を作る」「為替変動を予測した値段設定を行う」などのリスク分散にも気を配りましょう。

幅広い法律の知識が必要

中国越境ECへ参入するにあたっては幅広い法律の知識が必要となり、知らずに違反してしまうと罰金刑などを科されるリスクもあります。

一例として、中国のECモールに出店する場合は中国法人としての登録となるため、インターネットの取引に関する「中国電子商取引法」を遵守しなければいけません。

中国電子商取引法により、事業者には営業許可証の取得・納税義務が発生するほか、国際取引法などの知識も必要になるため、特に自社でECサイトを立ち上げる方は注意してください。

自社製品は知的財産権への対策が必須

中国越境ECで自社製品を販売する際は、トラブルを回避するため知的財産権への対策が必須となります。

商品の知的財産権の対策が不十分なまま販売すると、模造品が大量に販売されたり、競合他社が先に商標登録をして商標権や特許侵害で訴えられるといったリスクがあります。

自社ブランドや商品を守るためには、早めに現地で商標登録を出願するほか、ネット上に模造品が出回っていないかを定期的にチェックして、見つけた場合は速やかに対処することが大切です。

中国越境ECの参入方法および化粧品など日本企業の人気商品まとめ

この記事では、中国越境ECへ参入する方法に加えて、中国で人気のある化粧品などの日本企業の製品や、利益を最大化させる運用のポイントと注意点を解説しました。

中国越境ECにはECモールへの出店自社ECサイトの立ち上げといった様々な参入方法があり、取り扱う商品は中国で人気の高い日本企業の化粧品や生活用品がおすすめです。

ただし、中国越境EC参入には為替相場の変動や法律の知識が必要になるといった注意点もあるので、ショップ運営の知識に自信がない方は中国越境EC事業者への業務委託なども検討してみましょう。

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記事の監修者

EC-Consulting Japan株式会社 代表取締役社長

松下 直人

松下 直人

会社員時代に個人輸入した商品をネットで売ったことがきっかけで、EC事業に目覚める。
その後輸入から販売までのフローを組織化し、EC-Consulting Japan株式会社を創業。
現在は自社で複数のネットショップを運営しながら、自信の経験と自社の成功&失敗事例を元に、副業の個人から中小零細企業まで幅広くサポートしている。

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