楽天市場TDA広告とは?売上を最大化する運用方法と注意点を解説
楽天市場で運用できる「楽天TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)」を、自店舗の集客や認知度アップに活用したいオーナーも多いのではないでしょうか。
楽天市場TDA広告は表示できるページが多いため、ターゲット層・配信期間・配信ペースを慎重に検討することが効果的な運用のポイントとなります。
この記事では、楽天市場TDA広告のメリット・デメリットと配信方法のほか、広告運用を成功させるポイントをご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天市場の「TDA広告」とは?
楽天市場のTDA広告とは「ターゲティングディスプレイ広告」の略称で、2020年3月から新たに開始されたバナー広告を活用した配信システムです。
楽天RPP広告は検索結果に表示される広告であることに対して、ターゲティングディスプレイ広告は楽天サービス内の様々な画面に広告を表示でき、ページ内回遊を期待できる点が最大のメリットです。
課金制度はインプレッション制となっており、楽天が保有する圧倒的なデータ量を活用した高精度なターゲティングによって、自店舗の集客や認知度アップをサポートします。
楽天TDA広告 | 楽天RPP広告 | |
---|---|---|
配信内容 | 店舗のTOP・カテゴリーページも設定可能 | 商品に対する内容 |
表示箇所 | 楽天市場内のあらゆる場所 | 検索結果画面 |
課金の条件 | 広告の表示回数に対して課金 | クリックに対して課金 |
広告審査 | あり | なし |
楽天市場のTDA広告を配信する4つのメリット
楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)の概要が分かったところで、次は具体的なメリットについて確認していきましょう。
ターゲティングディスプレイ広告は楽天サービス内の様々なページに表示でき、ターゲット層を細かく設定して幅広いアプローチを検討できる点が魅力となっています。
ここからは、楽天市場のターゲティングディスプレイ広告を配信する4つのメリットを解説していくので、運用を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
①楽天市場の多くのページでアピールできる
楽天市場のTDA広告を配信するメリット1つ目は、楽天市場の様々なページにバナー広告を表示できることです。
TDA広告の最大のメリットは、お気に入り画面やランキング画面などのページにデザイン性の高いバナー広告を掲載でき、高い訴求力が期待できる点にあります。
楽天内の多くの場所に広告が掲載されるため、幅広いターゲット層へアプローチすることも可能です。TDA広告を表示できる画面は下記にリスト形式で掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 閲覧履歴ページ
- 購入履歴ページ
- ランキングページ
- 注文完了ページ
- レビューページ
- 一部のイベントページ
②高精度のターゲティングが可能
楽天市場のTDA広告を配信するメリット2つ目は、高精度なターゲティングを実現できることです。
TDA広告は、楽天市場が保有する膨大な量の「ユーザーの検索・購入履歴データ」を活かすことで、よりターゲット層に刺さりやすい広告を表示できる点も魅力です。
一例として、特定カテゴリの商品ページへ頻繁にアクセスしているユーザーに向けて該当カテゴリの商品広告を表示するなど、興味・関心に沿ったアプローチによって購入率を高める効果が期待できます。
③いつでも配信を止められる
楽天市場のTDA広告を配信するメリット3つ目は、いつでも広告の配信を止められることです。
TDA広告を申請する際には最低50,000円の予算を用意する必要がありますが、広告の配信はいつでも自由に停止することができます。
例えば、予期せぬタイミングで予算の消化が早まった時などにも自由に配信を止められるので、広告費用が無駄になるリスクを最小限に抑えることが可能です。
④楽天の関連サービスでも掲載できる
楽天市場のTDA広告を配信するメリット4つ目は、楽天の関連サービスにも広告を掲載できることです。
TDA広告の設定画面で「市場外配信」を選択すると、楽天リンク・楽天レシピ・楽天カードといった楽天グループの他メディアにもバナー広告を打ち出すことができます。
楽天市場以外のサービスに広告を掲載するにあたって、新たにバナー広告のデザインを用意する必要もないため、より幅広いユーザー層へアプローチしたい時にも活躍してくれるでしょう。
楽天市場のTDA広告を配信する3つのデメリット
楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)を配信するメリットが分かったところで、事前に把握しておきたい注意点やデメリットについても確認していきましょう。
楽天市場TDA広告は幅広いユーザーにリーチできる代わりに、バナーデザインの入稿審査が厳しく、1ヶ月あたりの申し込み件数が限られているほか、広告配信後に変更できない項目が多い点にも注意が必要です。
その他楽天市場TDA広告を配信する3つのデメリットを解説していくので、メリットと比較しながら参考にしてみてください。
①バナーの広告審査が厳しい
楽天市場のTDA広告を配信するデメリット1つ目は、バナーデザインの広告審査が厳しいことです。
TDA広告はバナーのフォントや文字サイズといったデザインのレギュレーションが細かく設定されており、入稿後にデザインの修正を要求されるケースも多いです。
さらに、全4種類のバナーデザインを作成する必要があるため、準備にもある程度の時間がかかるでしょう。広告のデザインを修正する可能性を踏まえて、スケジュールに余裕を持って取り組むことをおすすめします。
ファイル形式 | jpg・png・gifのいずれか |
---|---|
ファイル容量 | 最大150KB以下 |
必要なバナーサイズ | ・1280px×200px ・880px×320px ・400px×800px ・480px×360px の4種類 |
設定可能なリンク先 | ・商品ページ ・店舗のトップページ ・店舗内カテゴリページ ・GOLDページ |
②申し込み出来るのは1店舗あたり月20件まで
楽天市場のTDA広告を配信するデメリット2つ目は、1店舗あたり月20件までしか申し込みできないことです。
2023年4月にTDA広告の仕様が変更されたことで、1ヶ月に登録できるキャンペーン数が1店舗あたり「無制限」から「月20件まで」となりました。
1ヶ月に配信できるTDA広告の数が制限されているため、広告のABテストなどを実施する予定であれば、事前に運用戦略をある程度練っておく必要があるでしょう。
③審査後・配信開始後に変更できない項目が多い
楽天市場のTDA広告を配信するデメリット3つ目は、審査を通過して広告が配信された後に変更できない項目の多さです。
楽天TDA広告は、審査を無事に通過して配信が始まると、設定URL・配信ペース・バナーデザイン・市場外配信の有無といった項目が変更できなくなります。
広告配信後は変更できない内容が多いため、配信する目的とターゲット層、予算配分や配信ペースを充分に検討してから設定することが重要です。
楽天市場でTDA広告を配信する方法
楽天市場TDA広告(ターゲティングディスプレイ)広告のメリットとデメリットに引き続き、実際に広告を配信するための設定方法などを確認していきましょう。
TDA広告を配信する際はキャンペーン内容を詳細に設定する必要がありますが、配信に必要なステップはそこまで複雑ではないので、初めての方でも問題なくチャレンジできます。
ここからは、楽天市場でTDA広告を配信する際の初期設定と出稿方法を分かりやすく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
広告審査に必要な項目の設定方法
楽天市場のTDA広告を配信するにあたり、まずは広告審査に必要な下記の項目をすべて設定する必要があります。
キャンペーン名は任意で設定できるので、管理しやすい形でネーミングしましょう。予算と配信ペースの考え方やセグメント設定方法などは後ほど詳しくご紹介します。
入札価格は0.75円~10.00円の範囲から選択し、設定URLの項目ではバナーのクリック後に商品ページへ移動するのか、店舗のトップページに飛ぶようにするのかなどをタブから設定してください。
【楽天TDA広告の審査内容】
- 開始日予約
- 配信期間
- 予算
- 入札単価
- 対象セグメント
- バナー入稿
楽天TDA広告の出稿方法
楽天TDA広告を出稿する際は「RMS(店舗運営システム)」にログインして「広告(プロモーションメニュー)」「ターゲティングディスプレイ広告(TDA)」の順に進みます。
キャンペーンタブの「新規作成」にアクセスしたら、前述した広告審査に必要な項目を全て入力して登録し、バナー原稿のアップロード画面に進みましょう。
バナーデザインの入稿後は、随時更新される審査ステータスを確認し、修正が必要であればすぐに対応するのがおすすめです。また、バナー原稿は余裕を持って配信スタートの10営業日前までには入稿しておきましょう。
【楽天TDA広告の設定内容】
- キャンペーン期間
- 予算
- 入札単価
- 配信ペース
- 設定URL
- 対象セグメント
楽天市場TDA広告の効果的な運用方法
楽天市場TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)の設定方法が分かったところで、次は効果的な運用方法をチェックしていきましょう。
TDA広告をより効果的に運用するには、運用の目的や方向性を明確にして狙ったユーザーに届きやすい配信設定を行い、定期的に効果を検証する地道な作業も必要になります。
ここからは、楽天市場TDA広告の効果的な運用方法を4つのステップに分けて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
①運用の目的・方向性を決める
楽天市場TDA広告の売上を最大化する運用方法の手順1つ目は、広告運用の目的や方向性を整理しておくことです。
広告を運用する目的が定まらないまま配信をスタートすると、ターゲット層や広告の内容にブレが生じ、費用対効果が低くなってしまう恐れがあります。
TDA広告で店舗や商品の認知度を高めたいのか、一部のターゲット層に強く訴求して売上を伸ばしたいのかなど、具体的な目標や方向性を定めるようにしましょう。
【楽天TDA広告を配信する目的】
②ターゲットにあわせてセグメント設定をする
楽天市場TDA広告の売上を最大化する運用方法の手順2つ目は、ターゲット層に適したセグメント設定を行うことです。
例えば、ターゲット層を広く設定して認知度を高めたい場合は、年齢・性別・会員ランクだけを設定して条件を緩くする方が効果的でしょう。
逆に確実に売上を伸ばしたいのであれば、過去に似たジャンルの商品ページへアクセスしたユーザーや、自店舗での購入履歴のあるユーザーを狙ったセグメント設定をおすすめします。
セグメントのタイプ | 内容 |
---|---|
会員登録情報 | 性別、年齢、居住地域(エリア)、居住地域(都道府県)、会員ランク |
閲覧履歴 | 第一階層ジャンル別、第二階層ジャンル別 |
イベント興味 | ・イベント |
・大型イベントでの最大買い回り数 | |
購買履歴 | ・第一階層 |
・ジャンル別(38ジャンル) | |
3ヶ月以内3回以上購買 | 主要9ジャンル |
ライフステージ | 既婚・子供有無、居住形態、借家、自家用車、世帯年収 |
自店舗来訪・購入履歴 | ・新規・既存ユーザー |
・Rakuten AIrisを用いた購買実績の拡張ターゲティング |
③目的に合わせて配信の期間やペースを設定する
楽天市場TDA広告の売上を最大化する運用方法の手順3つ目は、目的に合わせて配信期間・ペースを設定することです。
TDA広告は事前に設定した予算をすべて消費すると配信が止まってしまうため、狙いたい効果や目的を考慮して配信ペースを検討することが重要になります。
例えば「予算を日ごとに均等配信」に設定する場合、安定した広告運用が可能になるでしょう。逆に「アクセス量に合わせて最大配信」の場合は、キャンペーン時に強くアピールできる一方で予算の消費が早いなどの特徴があります。
④改善に向けた効果測定を行う
楽天市場TDA広告の売上を最大化する運用方法の手順4つ目は、改善に向けた効果測定を行うことです。
広告運用の成果を改善するには「CTVR(コンバージョントラフィックボリュームレート)」の数値を指標とすることをおすすめします。
CTVRは「広告のクリック率(CTR)×クリック後の購入率(CVR)」から算出できるので、訴求内容がターゲット層にマッチしているか、広告と商品ページの売り出し方がズレていないかなど確認しましょう。
【CTVRの確認方法】
- CTVR = CTR × CVR
楽天市場でTDA広告を出稿する際の2つの注意点
楽天市場TDA広告(ターゲティングディスプレイ)広告の運用方法を解説してきましたが、運用を進めるにあたっていくつかの注意点があります。
広告を配信する商品の種類によってはセグメント設定に注意する必要があるほか、ROASが高く出やすいので費用対効果を見誤らないようにする必要もあります。
最後に、楽天市場にTDA広告を出稿する際の注意点を2つご紹介していくので、キャンペーン申請を出す前にぜひ目を通してみてください。
①年齢制限がある商品にはセグメント設定が必要
楽天市場でTDA広告を出稿する際の注意点1つ目は、年齢制限のある商品ではセグメント設定が必要になることです。
例えば、タバコやアルコールなどの年齢制限のある商品で広告を打つ場合は、20歳未満のユーザーに表示されないようセグメントを設定する必要があります。
他にも16歳未満が運転できない原付バイクの広告や、エアガン・刃物類といった危険性のある商品に関しても、年齢設定に配慮する必要があるでしょう。
②実際よりもROASが高く出やすい
楽天市場でTDA広告を出稿する際の注意点2つ目は、ROAS(Return On Advertising Spend)が高く出やすいことです。
ROASとは簡単に言うと広告の費用対効果を判断する指標で、TDA広告ではバナーリンク経由で発生した1ヶ月間(720時間)の購入が成果に反映される仕組みになっています。
例えば、TDA広告からアクセスした後にブラウザバックし、他の広告経由で購入した場合も成果にカウントされるので、次の広告運用に活かす場合は数字を見誤らないように注意しましょう。
楽天市場TDA広告の運用はEC-Consulting Japanにお任せください!
ここまで、楽天市場TDA広告の詳細や配信方法についてご紹介してきましたが、出稿するまでの審査が厳しかったり、あらかじめ設定しなければいけない要素が多かったりなど、なかなか難しいなと感じた方も多いのではないでしょうか?
広告運用にリソースを取られてしまい、コア業務が疎かになってしまっては元も子もありません。
そこで、御社の楽天市場TDA広告の運用を弊社にお任せいただけませんか?
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楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)とは?設定手順・バナーデザインなどの注意点まとめ
この記事では、楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)の特徴と配信するメリット・デメリットのほか、効果的な運用方法などをまとめてご紹介しました。
TDA広告は楽天市場内に表示できるバナー広告であり、豊富なユーザーデータを活用して高精度のターゲティングを行い、認知度や購入率を高める効果が期待できます。
「バナーデザインの規定が厳しい」といったデメリットもありますが、上手く活用することでビジネスを軌道に乗せることができるので、楽天市場で販売する際はぜひTDA広告を活用してみてください。
また、令和の虎にも出演した松下直人氏による著書「1円で売れ!禁断のネットショップ儲けのカラクリ」には、手取り11万円から年収3,000万円を達成するまでの全記録がつづられています。
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