ECモールとは?ECサイトとの違いやメリット・デメリットを解説!
2024.08.21
ECビジネスを始めたいと思った時、ECモールにネットショップを出店するか、自社のECサイトを新たに立ち上げるか、迷っているという方は多いのではないでしょうか?
どちらが良いというのは一概には言えませんが、双方の特徴やメリット・デメリットを理解した上で、どちらにするかを選択しましょう。
この記事では、ECモールの種類やメリット・デメリット、ECサイトとの違いや主要ECモール5社について解説しております。
ECモールとECサイトの違いを知りたい方はもちろん、どこでECビジネスを開始しようか悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。
ECモールとは?
ECモールとは、ひとつのサイト内に複数のネットショップが集まっている大型ECサイトのことです。
ネット上のショッピングモールや百貨店をイメージしてもらうとわかりやすいのではないでしょうか?
代表的な例としては、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングがあり、既存のプラットフォームを利用するため専門知識がなくても簡単に出店可能です。
また、テナント型・マーケットプレイス型・統合管理型モールといった異なる出店形態があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
テナント料や決済手数料が発生しますが、出店時から多くの顧客にアプローチできる点が最大の特徴です。
一方、デザインやカスタマイズの自由度は少ないため、自社のブランディング戦略には向いていません。
ECモールの種類
先ほど簡単にご紹介しましたが、ECモールは「テナント型」「マーケットプレイス型」「統合管理型モール」の3種類に分けられます。
それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
テナント型
テナント型のECモールは、実際のショッピングモールのように複数のショップが集まる形式のECモールです。
代表的な例として、楽天市場やYahoo!ショッピングがあります。
この形式では、各ショップが独自のデザインやレイアウトをカスタマイズ可能なので、ブランドの個性を出すことができます。
一方で、店舗のデザインや商品登録、在庫管理などをすべて自社で行う必要があるため、運用するためにはある程度の運用知識が必要です。
プラットフォームによっては、出店時の初期費用やモール側への手数料がかかるケースも少なくありません。
マーケットプレイス型
マーケットプレイス型のECモールでは、企業が商品のデータのみを掲載しECモール側がそのデータを管理します。
Amazonがこの形式の代表例で、このタイプでは出店というより「出品」に近く、店舗の開設が不要で、運用の負担を軽減することができるでしょう。
商品のプロモーションもECモール側が行うため初期投資が少なく、手軽にネットショップを始められます。
ただし、ショップの存在感が薄く、独自のブランディングやマーケティングが難しいという点が大きなデメリットです。
また、他の出品者の商品が同じページに表示されることもあるので、ショップ力よりも商品力や価格が売り上げを大きく左右します。
統合管理型
統合管理型のECモールは、自社で複数のブランドショップを一元管理する形式のECモールです。
これにより、顧客は1つのアカウントで複数のブランドにアクセスでき、回遊性が向上します。
この形式は、主にアパレルなどの分野で活用されており、特に複数のブランドを展開している企業にとって運営効率が高く人気の形式です。
しかし、サイトの開設や運営には多くの時間と労力が必要で、費用も非常に高額になります。
各ブランドの特徴を保ちながら統一感を出すために、サイト構成やユーザーの遷移を慎重に設計する必要があり、導入ハードルは高いと言えるでしょう。
ECモールとECサイトの違い
ECモールとECサイトはどちらもオンラインで商品を販売するプラットフォームですが、両者には異なる点がいくつもあります。
例えば、ECモールは新規で出店する際のハードルが低い反面、ライバル店舗が多く集客が難しいという一面があります。
ECサイトはECモールと違い、自社で一から新規構築する必要があるので、出店に際しての費用やリソースが膨大にかかりますが、デザインの自由度が高く自社のブランドイメージを確立しやすいです。
以下の表にそれぞれの違いを詳しくまとめましたので参考にしてください。
項目 | ECモール | ECサイト |
---|---|---|
新規構築 | 新規出店は比較的簡単で迅速に開始可能 | 一から構築するため、時間とリソースが必要 |
ドメイン | モール側のサブドメインを使用 | 独自ドメインを設定可能 |
初期費用 | 出店料や商品登録料がかかることが多い | サイト構築費用がかかる |
月額費用 | モール利用料や手数料が発生 | サーバー費用や運用費用が発生 |
顧客の購買心理 | モールの信頼性に依存しやすい | ブランドの信頼性と魅力に依存しやすい |
CRM | モール側が管理するため、顧客情報の制約あり | 自社で自由に顧客情報を管理・活用可能 |
フルフィルメント | モールの仕組みを利用可能(例:Amazon FBA) | 自社で物流システムを構築・運営 |
集客 | モール全体の集客力を利用 | 自社でSEO、広告、SNSなどを駆使して集客 |
ECモールのメリット・デメリット
自社でECサイトを運営している企業の中にも、自社ECサイトとは別でECモールに出店しているという企業は少なくありません。
ではなぜ多くの企業にECモールが利用されているのでしょうか?
ECモールについてさらに深く理解するために、ECモールを利用するメリットだけでなくデメリットも合わせて詳しく見ていきましょう。
メリット①集客力がある
ECモールは数多くの消費者が集まるプラットフォームです。
ユーザー数 | |
---|---|
Yahoo!ショッピング | 2,288万人 |
Amazon | 4,729万人 |
楽天市場 | 5,104万人 |
※ニールセンデジタル株式会社によるオンラインモール利用状況の調査より引用
上記は日本3大ECモールと呼ばれるYahoo!ショッピング・Amazon・楽天市場のユーザー数一覧です。
どのプラットフォームも非常に多くのユーザーに利用されているため、出店する企業は市場規模に関わらず、広範囲に商品やサービスを効果的にアピールするチャンスを得ることができるでしょう。
メリット②出店が簡単
ECモールでは、インフラや決済システム、顧客サポートなどの基盤が整っているため、出店手続きが迅速かつ効率的に行えます。
店舗数 | |
---|---|
Yahoo!ショッピング | 120万店舗 |
Amazon | 14万店舗 |
楽天市場 | 5.7万店舗 |
※楽天市場 出店案内より引用
特に新規事業者や中小企業にとっては、市場参入のハードルが低くなり、素早くECビジネスを開始することが可能です。
メリット③信頼性が高い
日本3大ECモールをはじめとした大手ECモールは、消費者にとって信頼できるプラットフォームであり、高度なセキュリティ対策やプライバシー保護措置が整備されているため安全性も高いです。
この信頼性・安全性の高さが、消費者の安心感を生み出し、企業はそのプラットフォームのブランド力を利用して売上を安定的に伸ばすことができるでしょう。
メリット④充実のサポート体制
ECモールは出店者に対して多岐にわたるサポートを提供しています。
例えば、マーケティング支援や広告プロモーション、配送の最適化、カスタマーサポートの強化などがあります。
これにより、企業のEC運営における負担は軽減され、商品開発や商品確保に注力でき、顧客満足度を向上させることに繋がるでしょう。
メリット⑤実店舗が不要
ECモールを利用すれば、実店舗を運営する必要がありません。
インターネット上での販売活動に集中することで、店舗運営に伴うコストやリスクを大幅に削減することができます。
また、グローバル市場へのアクセスも容易になるため、グローバル化を見据える企業には特におすすめです。
デメリット①販売手数料がかかる
ECモールでは販売手数料として、売上高に応じて一定の割合を支払う必要があります。
自社でECサイトを運営する場合はこのような手数料はかからないので、ECモールならではのデメリットだと言えるでしょう。
しかし、それでもECモールが持つ集客力や、充実したインフラを考慮すると、多くの企業にとってメリットの方が大きいのではないでしょうか。
デメリット②競争率が高い
ECモールの出店が簡単で店舗数も膨大であることは先ほどお伝えしましたが、裏を返せばそれだけライバル店舗が多いということになります。
多くの出店者が日々競争をしており、同業他社との競争が激化する傾向にあるため、独自のブランディングやマーケティング戦略を展開しなければなりません。
ただし、同一プラットフォームである以上、他店舗との差別化が難しい場合もあります。
デメリット③ブランディングが困難
ECモール内では、モール自体のブランドイメージに商品が依存しやすい傾向があります。
デザインから細かいUIまで一から構築可能な自社ECサイトとは違い、企業が独自のブランディングを確立していくことは容易ではありません。
デメリット④顧客データを取得できない
一般的に、ECモールは顧客データをモール側が管理し、出店者には限定された情報しか提供されません。
そのため、企業は顧客分析がしづらく、顧客との直接的な関係を築くことが難しくなり、マーケティング戦略に制約が生じる可能性があります。
デメリット⑤モール側のルールに従う必要がある
ECモールでは、モール側が定めるルールや規制に従わなければなりません。
モール内の仕様・料金・ポリシーなどの変更によって、企業側での自由な選択ができない可能性があります。
特に、新しい商品やサービスの展開においては制約を受ける場面が多いかもしれないので注意が必要です。
主要ECモール5社を比較
先ほど、日本3大ECモールとしてYahoo!ショッピング・Amazon・楽天市場について、ユーザー数や店舗数を簡単にご紹介しました。
これら3つのほか、au PAY マーケット・メルカリを加えた5つのECモールを比較していきたいと思います。
1. Amazon
Amazonは、世界最大のECモールであり、幅広い商品カテゴリーを網羅しています。
日本国内の出店数は非公開ですが、世界全体で200万以上のセラーが登録されており、世界的な知名度と信頼度があります。
Amazon公式の出品が強力な競争相手となり、価格競争が激化しやすいです。
在庫管理や発送をAmazonが代行するサービスが利用でき、運営の手間を大幅に削減できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額費用 | 小口出品プランは無料、大口出品プランは5,390円 |
手数料 | 基本成約料は小口出品プランのみ110円/商品、販売手数料は最大45% |
2. 楽天市場
楽天市場は、日本国内での知名度が非常に高く、幅広いユーザー層を持っています。
楽天ポイントや楽天ペイといった楽天経済圏の強みを活かせるのが大きな特徴であり最大のメリットです。
出店者に対するサポートが充実しており、ECコンサルタント支援やノウハウを学べる講座なども用意されています。
その分、初期費用や月額費用が高額であり、出店に至るまでの審査が厳しいという一面もあります。
初期費用 | 66,000円 |
---|---|
月額費用 | 21,450円(がんばれ!プラン)~110,000円(メガショッププラン) |
手数料 | システム手数料はプランにより異なり、3.5%から7%。その他、ポイント資源やアフィリエイト手数料などが発生します。 |
3.au PAY マーケット
au PAY マーケットは、通信大手のKDDIグループが運営するECモールです。
日本3大ECモールと言われるYahoo!ショッピング・Amazon・楽天市場に比べると知名度は低いですが、ライバル店舗が少ないためリピーターを獲得することで継続的な売上が期待できるでしょう。
auユーザー向けの集客施策が豊富で、スマホ経由の売上が97%とスマホに特化しています。
フリーメールアドレスが使用不可のため、独自ドメインを取得しなければなりません。
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額費用 | 5,280円 |
手数料 | 成約手数料4.5%から9%、ポイント原資1%、アフィリエイト手数料1.5%から8% |
4. メルカリShops
メルカリShopsは、フリマアプリ「メルカリ」内にショップを開設できるサービスで、スマホ一つで簡単に出店可能です。
初期費用・月額費用無料で利用でき、必要な費用は商品が売れた時に発生する販売手数料と振込手数料のみなので、コストを抑えてECショップを運用できます。
メルカリ内に出店されるため、法人だけでなく個人が扱う商品も多く、これまでに約20億品の出品が行われてきました。
メルカリのユーザー層に合った商品でないと売上が期待できません。
初期費用・月額費用 | 0円 |
---|---|
販売手数料 | 10% |
振り込み手数料 | 1回200円 |
5. Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、LINEヤフー株式会社が運営しているECモールで、日本国内のECモールでは最も店舗数が多いです。
TポイントやPayPayのキャンペーンが豊富で、ポイント還元率が高いのも大きな特徴と言えるでしょう。
LINEの月間利用者約9,700万人、Yahoo!の月間利用者5,500万人、PayPayの登録ユーザー約6,300万人の流入が期待できるプラットフォームです。
初期費用と月額費用が無料なので、コストを抑えて出店できます。
初期費用・月額費用 | 0円 |
---|---|
決済手数料 | 3%から4.48%または150円から300円 |
その他手数料 | ストアポイント原資負担やキャンペーン原資負担、アフィリエイト手数料などがかかります。 |
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ECモールとECサイトの違いについて徹底解説|まとめ
今回は、ECモールとECサイトの違いを中心に、ECモールのメリット・デメリットのご紹介や、主要ECモールの比較をしてまいりました。
この記事を参考にECモールとECサイトの違いをしっかりと理解し、適切なプラットフォームを選ぶことが、ビジネスの成功の鍵を握っています。
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