逮捕される?転売を行う前に知っておくべき法律を徹底解説

2024.03.23

転売に興味はあるけど、何が合法で何が違法なのか分からない人はたくさんいます。転売が問題視されている現在、律との正しい向き合い方を理解することが重要です。

この記事では、転売の法的側面と法律違反を避ける方法を解説します。記事を読んで正しい転売の方法を学び、リスクを避けるためのポイントを意識しながら、安心して転売ビジネスを始めましょう。

転売と法律の基本

転売が合法か違法かは状況によって異なります。合法的な転売はビジネスとして成り立ちますが、違法な転売は罰則の対象となるため、正しい知識が必要です。

日本では、古物営業法やチケット不正転売禁止法、著作権法など転売に関連するさまざまな法律が存在します

  • 古物営業法:中古品やリサイクル品などの古物を取引する際の規約を定めた法律
  • チケット不正転売禁止法:2019年6月14日から施行された、チケットの不当な転売を取り締まるためにできた法律
  • 著作権法:著作物に関する著作者の権利を保護し、正しい著作物の利用を促すための法律
  • 景品表示法:商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示することを厳しく規制する法律
  • 薬機法(旧薬事法):医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器などについて、承認や製造、販売、広告などに関するルールを細かく定めた法律
  • 特定商取引法:事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律

消費者保護を重視して取引を行うことが、ビジネスの信頼につながります。転売を行う際は法律遵守や許可取得が必要です。正確な情報提供のチェックリストを用意して確認しながら転売を行いましょう。

合法な転売と違法な転売の違い

転売は正当な方法で手に入れた商品の正規の価格に、適正な利益を加えた価格で販売すれば問題ありません。違法な転売には、高値のチケット販売や偽ブランド品の販売、著作権を侵害するコピー商品の販売などがあります。

法律が定めるルールを守りながら行われる転売は問題ありません。しかし、違法行為に対しては厳しい罰則が設けられています

転売が違法になるケース

以下の行為は違法な転売として罰せられる可能性があるので、注意が必要です。

  • 特定商品の転売
  • 許可なしの古物販売

特定商品の転売

特定商品の転売規制は、消費者の保護と公平な市場を守るために重要です。商品や状況によっては転売が禁じられているケースがあります。

コロナ禍では、転売目的でのマスクやアルコール消毒液などの生活必需品の大量購入を規制する法律が施行されました。抽選で購入した限定スニーカーや人気のフィギュアなどを高額で転売することも公序良俗に反し、問題視されているので注意が必要です。

商品を不正に高値で転売する行為は、消費者の利益を損なうため厳しく取り締まられています。メーカーによっては、転売が禁止されている商品を転売した場合、著作権法違反や不正競争防止法違反に問われるリスクがあります。

チケット転売

チケット転売には法的な問題点が多く潜んでいます。不当に高額な価格での転売は取り締まられる可能性が高いです。

チケット転売は以下のことを意識しながら正しい知識を持って取引を行いましょう。

  • チケット転売が公序良俗に反する可能性がある点を理解する
  • イベント主催者の許可なしにチケットを転売することが契約違反となる場合がある
  • チケットの不正転売による価格の釣り上げが消費者の利益を害する恐れがある
  • チケット転売を通じた詐欺行為の発生リスクがある
  • 正規の購入者がチケットを入手できない状況になる可能性がある
  • 芸能イベント等のチケットを高額で転売する行為が風営法の適用を受ける可能性がある

コピー商品・偽ブランド品の転売

コピー商品や偽ブランド品の転売は、著作権法や商標法、不正競争防止法など、複数の法律によって禁止されています。著作権法は作者の権利、商標法はブランドの信用やロゴの無断使用を保護する法律です。

不正競争防止法は他人の商品模倣や商標の不正利用による業務妨害を防ぎます。知らずに偽造品を販売してしまった場合でも、懲役や罰金などの刑事罰を科される可能性があるので気をつけましょう。

許可なしの古物販売

古物営業法は、お客さんを守るためや犯罪を防ぐために非常に重要な役割を果たしている法律です。盗まれたものが市場に出回らないように、商品の正しい情報を提示する必要があります。

中古品を売り買いするためには、古物商の許可が必要です。許可を取得するためには、地域の警察署へ申請しなければいけません。許可なしで古物営業をしてしまうと法律違反となり、罰金や懲役になる可能性があります。

古物営業法では、取引の記録をしっかりと残すことが決められています。住んでいる場所によっては追加でルールがある可能性があるので、転売をする人は古物営業法をよく理解しましょう。

転売で重要な法規制と罰則

転売を行う前に、転売を取り巻く法規制と、違反した場合の罰則を正しく理解しましょう。

チケット不正転売禁止法

チケット不正転売禁止法は2019年6月14日に施行された法律です。公正なチケット流通を保ち、安全にチケットを購入できるように制定されました。

チケット不正転売禁止法の対象は、インターネット上のオークションサイトやチケット転売サイトです。具体的には、コンサートやスポーツイベントなどの入場券を主催者が定めた価格以上で転売する行為が禁止されています。

違反すると、出品者だけでなく購入者も罰せられる可能性があり、最大で1年の懲役または100万円以下の罰金が科されるので注意してください。

違法転売で逮捕された場合の罰則

違法転売で逮捕されたときの罰則は、犯した法律によって異なります。

  • 商標法違反:最大10年以下の懲役や1000万円以下の罰金
  • 古物営業法違反:無許可での転売により6か月以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 不正競争防止法違反:損害賠償請求や10年以下の懲役、1000万円以下の罰金

罰則は違法行為の程度や影響に応じて、実際に適用される状況が変わる可能性があります。違法転売から得た利益は通常没収され、組織的な違法転売の場合は組織犯罪処罰法が適用される仕組みです。

違法転売の罰則は厳しく、社会的な信用を失います。経済的損失も大きいため、違法転売を行わないよう十分に注意することが大切です。

合法的な転売を行うために必要なこと

合法的な転売を行うために必要なことは以下の3つです。

  • 合法的な転売業者になる
  • 消費者保護を徹底する
  • 安全な転売を行う

合法的な転売業者になる

合法的な転売業者になるためには、いくつかの手順を踏む必要があります。

はじめに古物商許可の取得を目指しましょう。古物商許可を得るためには、未成年者でないことや前科がないことなどの一定の条件を満たしている必要があります。身分証明書や収入証明書などの必要書類を準備してください。

許可証を取得した後は、許可証をお店に掲示し、適正な取引を心がけてください。違法なコピー品や偽ブランド品の転売をしないように注意し、正確な情報提供と返品ポリシーを明確にすることも大切です。

最後に転売対象の商品が特定の法規制に触れないかどうか確認しましょう。手順を踏んでいけば、合法的な転売業者として、安心してビジネスを行えます。

許可が必要な商品の転売方法

許可が必要な商品を取り扱う場合は注意が必要です。ランド品やライセンス商品などの特許権や知的財産権が絡む商品は、正規の許可や流通経路の確認が不可欠です。

健康に影響を及ぼす商品(化粧品や医薬品など)や、軍事関連品、危険物、政府管控行政品などの転売には気をつけましょう。

消費期限が設定されている食品や、子供向け玩具のように安全基準が定められている商品を扱う場合も注意が必要です。品質管理と保存状態に細心の注意を払い、関連する法規制を遵守しなければなりません。

正しい手順を踏んで転売を行えば、法律に違反することなく転売を行えるので、正確な知識を身につけましょう。

消費者保護を徹底する

転売において消費者保護は非常に重要です。不当な価格での販売や偽造品が流通しないよう気をつけてください

万が一トラブルが起きた場合は、返金や返品などの適切なアフターサービスを行いましょう。個人情報保護やデータセキュリティ対策を徹底し、消費者が安心して商品を購入できる環境を整備してください。

安全な転売を行う

事前に以下のチェックリストを作成し、確認しながら商品を販売してください。リスクを未然に防ぎ、トラブルを避けましょう。

  • 古物商許可の有無を確認し、必要であれば取得する
  • 販売する商品の著作権や商標権の侵害がないか確認する
  • チケットや特定の商品の転売規制に違反していないことを確認する
  • 偽造品や模倣品の転売を避ける
  • 供給元が正規のルートであることを確認する
  • 商品の仕入れ値と販売価格の差額が適切な利益になるように計算する

まとめ

転売ビジネスは法律と適切に向き合うことは重要です。たくさん法律があるので、一つずつ意識するのは難しいですが、転売をビジネスとして行うなら必要なプロセスとなります。

転売のプロとして信頼と安全を最優先に考えることが重要です。適切なルートと手順を踏むことが、長期的なビジネスの発展につながるので、この記事を何回も読んで法律を理解しましょう。
» 転売とは?ビジネスを始める前に知るべきこと

さらに詳しく知りたい人は、以下の動画をご覧ください。物販のポイントについて解説しています。

記事の監修者

EC-Consulting Japan株式会社 代表取締役社長

松下 直人

松下 直人

会社員時代に個人輸入した商品をネットで売ったことがきっかけで、EC事業に目覚める。
その後輸入から販売までのフローを組織化し、EC-Consulting Japan株式会社を創業。
現在は自社で複数のネットショップを運営しながら、自信の経験と自社の成功&失敗事例を元に、副業の個人から中小零細企業まで幅広くサポートしている。

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